Excelでデータ分析を行う方法

データ分析を行う際には、Python、R、Javaなどのさまざまなツールを使用することができます。しかし、どんな場合でもExcelを避けて通ることはできません。多くのプロジェクトではプログラミング言語やSQLを使用しますが、日常の探査や分析にはExcelが非常に便利です。

Excelを使ってデータ分析を行う方法を、以下の2つの観点から紹介します:

  1. Excelの習得
  2. データ分析の実践

1. Excelの習得

Excelの習得は以下の4つのレベルに分けることができます:

初心者

初心者レベルでは、基本的な操作を学ぶことが重要です。新規作成、データ入力、保存、シートの追加、簡単な関数(SUM、IF、AVERAGE、COUNT、ROUNDなど)を学びます。

中級

中級レベルでは、以下の機能を学びます:

  • テキストや日付の処理
  • 数学運算による公式作成
  • データピボットテーブルの使用
  • VLOOKUP関数の使用
  • プラグインのインストールと使用
  • 自動フィルタリング
  • マクロの記録と編集

中級関数:SUMIF、COUNTIF、VLOOKUP、CHOOSE、MID

高級

高級レベルでは、次のようなことを学びます:

  • 配列数式の使用
  • マクロの作成と修正
  • イベント駆動のマクロの作成
  • Excelのほとんどの関数の理解と使用
  • Excelの教え方

高級関数:SUMPRODUCT、INDIRECT、INDEX、MATCH、OFFSET

専門家

専門家レベルでは、Excelを使用して配布可能なアドインを作成し、各関数の利点と欠点を理解し、適切な使い方を選択できるようになります。

2. データ分析の実践

Excelを使用してデータ分析を行う方法は多数あります。以下に、いくつかの主要な方法を紹介します:

1. データの並べ替え

データを並べ替えることはデータ分析の基本です。単一列または複数列で昇順または降順に並べ替えます。

単一列の並べ替え

以下のデータを例にします:

IDNameT.Bills
1John500
2Jane300
3Jack700

C列「T.Bills」でデータを並べ替えます。

操作手順:

  1. 並べ替えたい列の任意のセルをクリック
  2. 「ホーム」→「並べ替えとフィルター」→「昇順または降順で並べ替え」

並べ替え後の結果:

IDNameT.Bills
2Jane300
1John500
3Jack700

複数列の並べ替え

複数列での並べ替えは以下のように行います:

  1. データ範囲を選択
  2. 「ホーム」→「並べ替えとフィルター」→「カスタム並べ替え」
  3. 複数の並べ替え基準を追加し、昇順または降順を選択

2. フィルタリング

特定の条件に一致するデータを取得するためにフィルタリング機能を使用します。

操作手順:

  1. データ範囲の任意のセルをクリック
  2. 「データ」→「並べ替えとフィルター」→「フィルター」

次に、列ヘッダーの矢印をクリックして、フィルタリング条件を設定します。

3. COUNTIF関数

特定の条件に一致するセルの数をカウントします。

構文

=COUNTIF(範囲, 条件)

例:Stockが10%未満のセルの数をカウントします。

ProductStock
A15%
B9%
C12%
D7%
=COUNTIF(B2:B5, "<10%")

結果:2

4. SUMIF関数

特定の条件に一致するセルの合計を計算します。

構文

=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)

例:Stockが10%未満の製品の在庫の合計を計算します。

ProductStock
A15%
B9%
C12%
D7%
=SUMIF(B2:B5, "<10%", B2:B5)

結果:16% (9% + 7%)

5. ピボットテーブル

データを集計して分析するための強力なツールです。

例:以下のデータを使用してピボットテーブルを作成します。

YearQuarterSales
2020Q11000
2020Q21500
2020Q32000
2020Q42500
2021Q13000
2021Q23500
2021Q34000
2021Q44500
  1. 「挿入」→「ピボットテーブル」
  2. 「テーブル/範囲」フィールドにデータ範囲を選択
  3. 行フィールドに「Year」、列フィールドに「Quarter」、値フィールドに「Sales」をドラッグ

6. ソルバーを使用した仮説検定

目標セルの最適な値を求めるためにソルバーアドインを使用します。

例:目標収入を3000ドルに設定し、販売単位数と単価を計算します。

Units SoldUnit PriceRevenue
3000

操作手順:

  1. 「データ」→「ソルバー」
  2. 「設定する目標」に収入セルを選択し、値を3000ドルに設定
  3. 変化させる変数セルに販売単位数と単価のセルを選択

7. データ分析ツールパック

Excelに内蔵されている分析ツールパックを使用してデータを分析します。

8. 記述統計

データの基本統計量を計算します(平均、中央値、最頻値、範囲、分散、標準偏差など)。

例:以下のデータの記述統計を計算します。

Score
50
60
70
80
90

操作手順:

  1. 「データ」→「データ分析」→「記述統計」
  2. 入力範囲を選択し、出力範囲を指定
  3. 「要約統計量」をチェック

9. 分散分析(ANOVA)

複数の平均値間の差を検定します。

例:3人のバッターのスコアの分散分析を行います。

Batter ABatter BBatter C
102030
152535
203040
253545
304050
354555
405060
455565

操作手順:

  1. 「データ」→「データ分析」→「単因子の分散分析」
  2. 入力範囲を選択し、出力範囲を指定

10. 回帰分析

2つ以上の変数間の関係を推定します。

例:COVID症例数とマスク販売数の関係を分析します。

MonthCOVID CasesMask Sales
Jan1002000
Feb1502500
Mar2003000
Apr2503500
May3004000
Jun3504500

操作手順:

  1. 「データ」→「データ分析」→「回帰」
  2. 入力Y範囲をマスク販売数、入力X範囲をCOVID症例数に設定
  3. 出力範囲を指定

まとめ

Excelは、単純なデータ処理から高度なデータ分析まで幅広く対応できる強力なツールです。日常の業務から専門的な分析まで、Excelを使いこなすことで、データ分析の効率と精度を大幅に向上させることができます。

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